夏休みのちょっと怖い映画観賞の感想(「怖い」は「映画」にかかってます)
純粋なホラーとかグロい描写が中心なものは(驚かせようとしてくるもの)
だいぶ苦手な方なのですが、テーマがある心理的な描写という意味でのホラーは
割と興味があります。(学校の怪談とかは無理)
で(で?)夏休みの終わりに、なんとなく映画をたまにはながらではなく集中して
みようかなと思って、3つの映画をみました。
・ミッドサマー
なんとなく、明日から日常に忙殺されるだろうなというところと、
予々関心のある男女の性の違いみたいなものを感じたので、書こうかなと。
前提として、1つ目は超ハッピーエンドです。恋物語と言っても差し支えない。
【パッセンジャー】
・120年の飛行を経て、新たな惑星で暮らす予定で5,000名の乗客を載せた宇宙船が出発したが、何らかの飛行物(なんだったのかしら)との衝突によってバグが発生し、一人の男性が到着の90年も前に冬眠から目覚めてしまう
・暮らすのに必要な施設・娯楽施設はすばらしく整っているけど、話相手はアンドロイドのバーテンダーのみ。
・1年間いろいろやってみたけど、孤独に耐えかねて乗客の内の1人の魅力的な女性を冬眠解除してしまう
ところからスタートするロマンスとアドベンチャーというところ
とても個人的な感想
・吊り橋効果とスリルを感じながらも、安心して見られる
・よく振り返ったら、地球での家族や恋人や友人を全て捨てて乗船しているのか、という背景が気になって仕方がない
・一人でも知り合いがいたらその人に謝罪して起こしそうな気がしたから
・なんなら、同じ状況で姉や恋人が目覚めてしまったら、そんな孤独な一生を我慢して送らないでさっさと起こしてよ。と思うし
・よく知りもしない人を起こした結果、一人の方がマシになるリスクを考えるシーンがないあたりになんとなく、身体的に自信のある男性が作った映画という感じを受けた
【ビバリウム】
・これはもう解説ないとただ発狂系の映画
・意味がわからない!と言われるリスクを犯して淡々と描いた感じ
・あらすじは長くなるから省く
とても個人的な感想
・カッコウの雛よろしく、勝手に押しつけられた全く可愛くない子どもをやむなく育てるカップルだが、本能と義務感でひたすら女性(ジェナ)だけが世話をしている状態がなんだか妙にリアル
・これは多分母性とかではなくて、自分より弱いものを守らないといけないという本能的なものに加え、社会的に刷り込みされた役割としての女性性みたいなものを感じる
・それを正当な理由風に放棄する男性への諦めと静かな苛立ちみたいなのも妙にリアル
・しかしこの物語、如何せん救いがない。恐怖の質的にはチャーリーとチョコレート工場みたいな感じ
・全体の色彩の中心となるエメラルドグリーンはとてもきれい。この作り物感が怖さでもあり、グロくなく心理的な怖さを考えられる要素でもあるかなと
【ミッドサマー】
・ベースとなるのはカルト的な村の儀式に参加して生贄になる学生たちの物語
・スウェーデンの白夜の9日間が舞台らしいが、まあこの設定はそれっぽいという要素が強い印象
・カルト的な共同体出身のペレに誘導されてアメリカ人の男性3人+女性1人が儀式に訪れ、文化や風習のじわじわしたギャップの中で暮らしていく中で、生贄にされたり女王になったりする話(まとめすぎると意味不明)
とても個人的な感想
・主人公ダニーの再生物語と見えるのは前説のせいか女性としての見方かな
・この映画で何が面白かったって、「カップルで見ると別れる映画」らしいのです。見始めは、倦怠期のカップルが見るとリアルで萎えるという意味合いかな?と思ったのですが、見終わってみると、男性の方が女性の心に恐怖を覚えるのが理由ではないかと感じた
・完全に個人の偏見ですが、男性の方が、女性の愛情や母性みたいなものを無条件にとても信じている気がして、少なからず自分に心を預けてくれた女性が、自分を見放すということが受け入れがたいのかなあ、と。ま、そりゃ人によるでしょうけど
・家族含め、親密な共同体ならではの正義や怖さみたいなものは結構昔から関心があるのだが、宗教も含め、「これが正しい」と決めて欲しいという弱さは誰にでもあるんだと思う。勤怠規則とかもそうだよね。全てフリーで自己判断という中で生きられる生き物は基本いないんだと思う。それこそ、一人ぼっちだったとしても
さて、脈絡はないですが、映画はやはり映像が見応えがあるよね。
そりゃ、映像じゃないと伝わらない・あるいは映像で伝えたいと思って作った人がいるのだからそりゃそうだろうけれど。
自分の思い込みに引きずられすぎずにフラットにいろんな価値観に触れつつ、まあ言うても触れなくないものもあるのでうまく受け流しつつ、明日からまた日常に戻ろう。